防音室・無響室メーカー : ソノーラテクノロジー株式会社
吸音、吸音材とは

吸音・吸音材とは?

 多孔質材料の内部に、音が入り込み拡散することにより、音のエネルギーが、振動を伴った熱エネルギーに変換され、反射する音が小さくなることを吸音と言います。

 この効果を持った多孔質材料のことを吸音材と呼び、グラスウールやロックウール、ウレタンやパンチングメタルなどが当てはまります。また、背面に空気層+を設けることで、ある程度の吸音効果をカバーします。 代表的なグラスウールは極細ガラス繊維を成型した製品で、ロックウールは岩石とスラグを溶かして遠心力で吹き飛ばし繊維を作り、成型した製品です。

 発泡スチロールは断熱材であり、吸音材ではありません。また、表面塗装やコーティング処理、板状表面の製品が吸音材として販売されていますが、それらは多孔質材料ではないため、吸音材ではありません。 (厳密にいえば、発泡スチロール、鉄板やコンクリートも“僅かに”吸音しますが、ここでは無視します。)

 吸音材料の性能は、吸音率で表示することがあります。吸音率は、残響室法吸音率や垂直入射吸音率など、 材料自体の吸音する能力を表しているのではなく、同条件での測定データの比較に用いられます。

▼よくある勘違い1

 吸音材メーカーでも、よくある勘違いをしている会社があります。例えば、自社製品の吸音材の吸音率を「残響室法吸音率測定法」で測定し、「垂直入射吸音率測定法」で測定された他社製品よりも、吸音率が優れているという表現です。これは間違っています。

 吸音率は、同条件での測定データの比較参考値でしかありません。厳密に言えば、各測定機関で同じ測定方法で測定を行っても、設備が異なるので、同じ数値が出ません。「同じ測定機関」、「同じ測定方法」で行って比較が出来ます。

▼よくある勘違い2

 吸音材の測定に正しい測定方法などありません。様々な吸音率測定方法がありますが、材料によっては、不適切な場合があります。

 例えば、無響室に使われる、吸音クサビのように厚さのある吸音材は、残響室法で測定するには不向きです。厚い材料を使用すると、面積効果という測定誤差を生じることがあります。(簡単にいえば、厚い材料は、高い吸音率を算出しやすい。)

 この測定誤差を悪用し、海外の無響室メーカーなどで、吸音クサビを、意図的に残響室で測定し、自社製吸音材が、あたかも高い吸音率を持つかのように見せる手法を取るところもあります。そして、測定方法は企業秘密として、表に出さなければ、ユーザーは騙されてしまいます。

▼吸音素材比較 グラスウールvsロックウール

【参考:旭ファイバーグラス(株)カタログより】
 グラスウールは、均一な長い繊維がしっかりと絡み合っているため性能が安定していて、曲げや引っ張りに強くヘタりにくい性質があります。一方ロックウールは繊維の均一化が難しいため太さや長さにバラツキがみられます。特に、上手く繊維化されない状態で残ってしまった「ショット」と呼ばれるものはザラツキなど手触りの悪さの原因となります。

[ 代表的な多孔質素材の比較/厚み・密度等同条件の場合 ]
内容 グラスウール ロックウール 連続発泡ウレタン
吸音性能
価格
耐火
繊維精度
復元力・強度 × ×
粉塵発生 × ×
  • 吸音材は多孔質材料で、音が内部で拡散する材料でなくてはならない
  • 吸音材が厚いほど、吸音効果は高まる
  • 断熱材と吸音材は別物である
  • 高周波音は吸音され易く、低周波音は吸音され難い
  • 金属系の吸音材も存在するが、金属面が音の反射面であり無響室等では使用不可
  • 通常、吸音率は0.99以上は表示する必要はない
  • 3dB(A)の減音は、音エネルギーが半分になった計算になる
  • スポンジ・カーテン等も若干は吸音するが、これを「吸音材」と位置づけるか否かはメーカーの判断による