技術情報
ISO 26101に基づく逆二乗則検収の精密手順とは?
― トラバース法・マイク位置・測定間隔の具体例 ―
2025/08/11
- 無響室・防音室のソノーラ
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- ISO 26101に基づく逆二乗則検収の精密手順とは?

はじめに:逆二乗則の検収が無響室性能の鍵
無響室や半無響室が「規格に準拠している」と認定されるには、逆二乗則(-6dB/距離2倍)が成立しているかを検証する必要があります。
この検収方法については、ISO 3745:2012のAnnex Aに基本手順が、ISO 26101:2012に詳細手法が記載されています。
ISO 26101のポイント:測定精度のための6つの規定
1. 試験音源の設置位置
音源は原則として室内の中心付近または床上1mの高さに設置。
2. マイクの移動方向(トラバース)
少なくとも5方向から、面の中央・角・対向面などを網羅
3. 測定スタート距離
最低周波数の1/4波長から開始。例:100Hzなら約0.85m
4. 測定間隔
1kHz未満 | 波長の1/10以下 |
---|---|
1kHz以上 | 25mm以下(明確に規定) |
5. 測定距離の上限
最低周波数の1/2波長まで
6. ノイズ種別に応じた測定方法
広帯域ノイズ | ピンクノイズ |
---|---|
狭帯域 | 純音による記録測定 |
測定イメージ:距離と音圧の関係をプロットする
測定結果は距離 vs 音圧レベルとしてプロットし、理想的な-6dB勾配(逆二乗則)に沿っているかを検証します。
大きな偏差があれば、吸音性能不足や反射の影響が疑われます。
ソノーラの検収実績:12面体音源+精密トラバース
当社では、HBK製の12面体音源と可動マイクシステムを用いて、ISO 26101準拠の精密な検収を行っています。
- 測定間隔:2.5mm~5mm
- 測定点数:30点以上の自動スキャン
- リアルタイム傾き計算による自動合否判定
まとめ:ISO 26101は“最新無響室の合否基準”
ISO 3745の時代から、逆二乗則検証の重要性はますます高まっています。
特にソノーラでは、ISO 26101を基準とした精密な検収体制を整備しており、新設・改修問わず確実な性能保証を提供します。
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