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【5分で解説】ISO 3745とは?無響室での音響測定の国際標準をわかりやすく解説!

2025/06/02

製品の静音設計がますます重要になる中で、「ISO 3745」という規格に注目が集まっています。この国際規格は、無響室や半無響室を使って音響パワーを測定する方法を定めたもの。

この記事では、音響試験や製品開発に関わる方へ向けて、「ISO 3745とは何か?」「どうやって測定するのか?」「無響室に求められる条件は?」といったポイントを5分でわかるように解説します!

ISO 3745とは?

ISO 3745(最新は2012年版)は、無響室(Anechoic Room)および半無響室(Hemi-Anechoic Room)を使い、騒音源の音響パワーレベル(Sound Power Level, PWL)を高精度に測定するための国際規格です。

この規格に準拠することで、製品の音響性能の信頼性をグローバルで保証できるようになります。

測定の基本式

ISO 3745では、以下の式により音響パワーレベルを算出します:

LW = (Lp − K1 − K2) + 10 log(S/S0)

LW:音響パワーレベル(dB)
Lp:測定対象の音圧レベル(dB)
K1:背景ノイズによる補正値
K2:環境(音場)補正値
S:測定面の面積(m²)
S₀:基準面積(1m²)

特にK2は、測定環境がどれだけ「理想的な無響空間」に近いかを示す重要な指標です。

無響室に求められる3つの条件

ISO 3745準拠の無響室では、以下の条件を満たす必要があります:

① 逆二乗則の成立

音源から離れるにつれ、音圧が距離の2乗に反比例して減衰することが求められます。これにより、空間が「自由音場」として機能していることが証明されます。

② K2値 ≤ 0.5 dB

K2は反射や残響の影響を示す補正値。無響室ではこの値が非常に小さくなければなりません。

③ 測定空間の最適化

最新のISO 3745では、旧来のような「吸音率0.99以上」という厳格な数値基準は撤廃され、「逆二乗則さえ成立すればOK」という柔軟な考え方が採用されています。

無響室の設計はどう変わった?

従来は、グラスウール吸音楔などを使って0.99以上の吸音率を確保する必要がありました。

しかし、最近では以下のような新しい吸音構造が注目されています:

  • 薄型の吸音材
  • 新素材の吸音材
  • 吸音以外の減衰機能を付加した吸音材

これにより、「耳がツーンとする感覚が少ない快適な無響室」も登場しつつあります。

ISO 3744との違いは?

ISO 3745が高精度な試験向けであるのに対し、ISO 3744はより現実的な環境(半無響室)での実用的な測定法を示しています。

ISO 3744ではK2が最大4dBまで許容されており、設備要件のハードルはやや下がります。ソノーラの「MSAC」や「VSAC」は、このISO 3744準拠の高性能な半無響室です。

最後に:静かな製品づくりのために

電気自動車(EV)や情報家電の進化により、製品の静音性は大きな差別化ポイントになっています。ISO 3745は、その「音の見える化」のために欠かせない基準です。

静音性能を正しく評価したい、無響室を導入したいという方は、ぜひソノーラの無響室ソリューションをご検討ください。ソラメタパネルやBFWなどの独自技術で、ISO 3745準拠の環境を実現します!

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