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無響室の換気&空調
2021/04/09
- 無響室・防音室のソノーラ
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無響室や防音室は、密閉された空間です。そして、遮音パネルや内装材には吸音材を使用しますので、吸音材=ある程度の断熱性もあります。そのため、室内で発熱した場合には、そのままでは熱が籠ってしまいます。(例:無響室内でエンジンを稼働するとエンジンの発熱により室内温度が上昇する)ただ、無響室や防音室は、基本的には(ほとんどの案件では)換気設備を設けてありますし、ユーザー希望により空調機を設置することも多いです。
室内の発熱問題には、換気や空調にて対策を行います。発熱量や部屋の容積から換気量を設計したり、空調機を選定したりします。
ですが、換気等を行うとなると、室内外で通気をしなくてはなりません。そうなると、音が入ってきてしまいますので、消音器が必要です。消音器はサイレンサーダクト(以下、サイレンサーといいます)等と呼びます。
サイレンサーは「空気は通すが、音は通さない」ものです。音を通さないといってしまうと語弊がありますが、下図のように入口Aから入った音は出口Bでは聞こえないように設計が出来ます。
つまり、密閉された無響室や防音室は室内外では、サイレンサーを介した空気の入口と出口があります。このサイレンサーに、換気扇やエアコンを取り付けるのです。
ただし、サイレンサーは万能ではありません。「このサイレンサーさえあれば大丈夫!」というわけにはいきません。換気回数が多ければ、大型の換気扇が必要です。換気扇は大型になれば、騒音が大きくなります。つまり、サイレンサーにより減音させる量を調整しなくてはなりません。
※単純に減音量が大きくなればなるほど、サイレンサーも大きなサイズになります。
ですが、大きな騒音を減音させるには大型のサイレンサーを設計する・・というのはプロではありません。大きくなれば、無駄な重量が嵩み、金額も高くなります。よって、形状工夫などをしつつ、コンパクトに設計します。
「無響室の暗騒音設定」
無響室は非常に静かな環境が求められますので、換気や空調による影響がない様に設計します。室内の環境は無響室内暗騒音と表現もします。
以下の条件は、無響室内の暗騒音設定にてよくあることです。
無響室内暗騒音は、15dB(A)以下とし、空調稼働時においては20dB(A)以下を保証すること
15dBと20dBでは5dBの差がありますね?これは、空調機の騒音が影響するということも考えられますが基本的には空調機の風の影響が大きいため、空調ON/OFFで設定値を変えることがあります。
15dB(A)程度の静かな環境では、ちょっとしたことで騒音値が上がってしまいます。人が少しだけ動いたりしただけで騒音計の測定値は上がってしまいます。空調機により冷風などを室内に送り込むと風が発生します。空気が動くことにより人の耳には聞こえないレベルでも音が発生してしまいます。
無響室の換気空調設計は簡単ではありません。稼働時でも極力暗騒音に影響がないように設計をしなくてはなりません。
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