技術情報

VSACにおけるEV試験と超音波対策の必要性

― 高周波領域での無指向性スピーカと音源位置の工夫 ―

2025/08/16

はじめに:EV時代における新たな音源とは?

自動車の電動化が進む中で、従来のエンジン音に代わり、インバータやモーター駆動音、警告音(AVAS)など、高周波成分を多く含む音源の測定ニーズが増えています。
VSAC(Vehicle Semi-Anechoic Chamber)では、これらを正確に評価するための高周波対応と超音波測定環境の整備
が必要です。

超音波領域の試験で求められる条件とは?

  • 試験周波数帯域が10kHz〜40kHz以上に拡大
  • 無指向性音源も高周波での指向性が強くなるため、配置位置が極めて重要
  • ISO 3745や26101に基づく「マイク配置・反射の抑制」設計が必須

また、自動運転やADAS用途では、センサ類のエミッションノイズ(超音波域)も対象となるため、反射の少ない床面処理や、天井吸音材の高周波対応が求められます。

無指向性音源の工夫:HBKの12面体スピーカ活用

高周波でもなるべく無指向性に近づけるために、以下の工夫を行います:

  • 12面体スピーカ(Dodecahedron speaker)+周波数調整
  • 反射面からの距離は「150mm以内」がISO 3745:2012の推奨
  • 音源の配置を床や壁に埋設する設計も有効

ソノーラのVSAC設計:EV対応の最前線

ソノーラでは、以下のEV試験環境を整備しています:

  • 高吸音性能の天井構造(BFWによる高音域吸収)
  • 超音波帯でも吸音率を確保できる平面吸音材構成
  • ピンクノイズと純音による複合測定対応
  • AVASやPEPS音の測定に最適化された車両配置・マイク配列

まとめ:VSACの設計は、EVの「音の未来」に応える場

EV特有の音源は、従来の自動車音響試験とは異なる設計思想を求めます。
高周波対応・無指向性音源の工夫・吸音材の最適化——それらすべてが、EV時代の新しいVSAC設計のカギです。

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