技術情報

半無響室床面の定盤の溝等の影響について

2022/08/08

半無響室は一般的には床面がフラットであるが、某メーカの半無響室は、床に試験体を取り付けるための溝が、幅≒15mm、深さ20mm、150mm角で十文字に規則的に刻まれていた。

この溝は試験体を設置するためには便利なものと思われるが、逆自乗則の測定を行うと、この溝によって音が反射し、逆自乗則の偏差基準を満足しないことがある。

この半無響室の測定時、鉄板t=1.6を敷きこの現象を回避することができた。できれば半無響室の床は完全にフラットであることが望ましい。

ISO3745:2012に示される逆自乗則の測定方法は、マイクの測定開始時は、音響中心から1m以内で、0.5m以下にはならない場所を起点とし、マイクの測定間隔が0.1mを超えないようにとある。

しかしISO26101:2012またはISO26101:2017では、1kHz以下の場合には波長λのλ/10、1kHz以上の場合には、25mm間隔とする必要があるとしている。

したがってISO3745:2012からISO26101:2012では、測定間隔が100mmから25mmに変化したことになり、微細な反射物であっても影響が出る場合がある。

また測定開始位置も、ISO3745:2012からISO26101:2012に変化したことで、音響中心から0.5m~1.0mであったものが、測定対象の最低周波数の1/4λと変化した。

例えば最低周波数が100Hzの場合には、λ=340/100Hz=3.4mとなる。そこでλ/4=3.4m/4=0.85mとなり、音響中心から0.85mの距離から始めることになる。

ただし、検収測定のたびに開始地点が変化するのは面倒な面もあるため、基本的に0.5mから始めることが、ISOを満足することになるのではと思う。

また計測線については、ISO3745:2012では少なくとも5方向、中でも主要な方向、部屋の中心から3つのコーナーと最も近い壁や天井の方向などを示しているが、ISO26101:2012ではより具体的にマイクの6方向の測定軸が示されている。

1. MICROPHONE TRAVERSES: The five traverses are now detailed described one by one (at least five paths): マイク移動は以下に述べる少なくとも5方向とする。

a) One transverse path shall be towards a dihedral corner

一つの移動方向は2面の角に向かう方向

b) One transverse path shall be towards a trihedral corner

一つの方向は3面の角に向かう方向

c) One towards the centre of one surface

一つの方向は一つの面の中心に向かう方向

d) If the plan area is not square, then one traverse path shall be towards the closest boundary surface and one toward the farthest boundary surface.

もし平面が正方形でない場合には、そこに隣接した最も近い面と最も遠い面に向かう方向とする。

e) Additional traverses to doors, ventilation openings, sound transmission openings, etc.

ドア、換気用開口、遮音の開口等に向かう方向を加える。

図1 計測線(ただしこの図は無響室のもので、音源が床から高いところに存在している。)

ただしISO3745:2012の付則Aでは、半無響室ではマイクの計測線と床などの反射面と間の角度は20度を下回らないようにとあるが、ISO26101では同様の場所では音源の指向性が保証されている角度を限度とすべきであるとされている。

計測したスピーカは無指向性スピーカであり、床に埋め込むタイプではないため、正確には下方向の音もあるため床からの反射は発生しやすいが、それでも明らかに様々な周波数において決まった距離で反射があり、溝からの反射であることはわかった。

またISO3745:2012もISO26101:2012,2017も同じ値であるが、以下のように、自由音場および半自由音場の逆自乗則からの偏差の値が示されている。

Table A.1 ― Maximum allowable deviations of measured sound pressure levels from theoretical levels using the inverse square law

Type of test environmentOne-third-octave-band frequency
Hz
Allowable deviations
dB
Anechoic≤630
800 to 5 000
≥6 300
±1,5
±1,0
±1,5
Hemi-anechoic≤630
800 to 5 000
≥6 300
±2,5
±2,0
±3,0

半無響室の床の溝などについて、溝からの反射音の影響があることに対して、ISO3745:2012およびISO26101:2012および2017を基に説明しました。

YAB Corporation
藪下 満

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