技術情報

防音をしすぎたことによる弊害!?

2021/03/01

2019年末、某粉砕機メーカー工場に下記の防音室を納入しました。

条件

騒音対象と目的

粉砕機の耐久試験を行うにあたり、粉砕機の発生騒音を防音室で囲い込むことにより工場全体への影響を抑える。粉砕機の騒音値を防音室外1m地点で45㏈(A)以下にすること。またその性能を保証すること。

設計のポイント

防音室内に天井クレーンで重量物を搬入可能な設計とする。また、防音室内への台車 やフォークリフトの搬入も行うため、工場内と防音室内の床には一切の段差がないこと。

対策

下記のように、電動駆動タイプのL形スライド遮音ドアを設計することで、天井クレーンで重量物を搬入可能としました。また、遮音ドアにはクローズ時にパッキンが落とし込み密閉をする構造とし、工場と防音室の床面をフラットにしました。

この防音室により、遮音量実測値は以下の通りとなりました。

単位 dB
Hz AP 63 125 250 500 1000 2000 4000 8000
遮音量実測値 44.6 22.3 29.7 38.6 43.0 44.9 47.1 53.4 61.2

防音をしすぎたことによる弊害

防音室設置により、騒音問題は解決しましたが、お客様から以下の御相談がありました。

  • (1) 粉砕機の騒音が聴こえなくなったことで、防音室外からは粉砕機が稼働しているかがわからない。
  • (2) 工場の放送設備の案内が防音室により遮断され、防音室内の作業員に聞こえない。

防音室を設置したことにより、今度は、「音が聴こえない」という新たな騒音問題が発生してしましました。これに対し、ソノーラテクノロジーでは、粉砕機稼働時と放送設備稼働時にはパトライトを点灯させるという対策を提案しました。

「音が聴こえない」という問題への対策は、電気自動車が静かすぎて、歩行者に認知されないために、電気自動車から一定の音を発生することで改善したという事例に近いことといえます。

騒音対策前にこのトラブルを予想出来ていなかったことは、防音の専門家である当社にとってはミステイクであったと言えます。防音をするだけではなく、防音をすることによる弊害を考慮しなくてはならない…大変勉強になった案件です。

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