技術情報

音楽家にとって防音工事は大敵となる?

2022/11/13

音楽家は時に音楽を感性で捉えます。音の聴こえ方にも敏感な方が多いです。
そのため、防音工事を行った空間では聴こえ方に違和感を感じてしまうことがあります。

防音工事を行った部屋は、

  • (1)密閉されている空間であり、
  • (2)四角い部屋であり、
  • (3)ある程度の吸音処理がされています。

密閉されているということは、音の逃げ場がありませんので、楽器を演奏するとその音が壁や天井から跳ね返ります。そして、四角い部屋ではフラッターエコー(多重反射)が発生しやすく、その他、ブーミング等の音響障害が発生することがあります。これを防ぐために吸音材を施工しますが、これらは音楽家にとっては大敵となりかねません。

響きは非常に重要です。吸音材の位置、角度が微妙に変わるだけでも気になってしまうでしょう。音楽家にとって、吸音材は響きを調整するためのものであり、反射音を防ぐためだけのものではありません。吸音材の施工量が多すぎると、デッドな空間となり響きは失われてしまいますし、デッド空間に入っただけで気持ち悪さを覚えてしまう人もいます。

防音工事の目的は防音ですので、心地の良い響きである空間が主目的ではありません。(練習室だと割り切っている方もいます)響きが良いということは、部屋の内部ではある程度音が反響するようにしなければならないのですが、これは防音の観点からすると相反します。音が反響すると室内の音圧レベルが上がり、本来防がなければいけない音が大きくなってしまうからです。

このことから、防音+響きの良い空間いずれも兼ね備えた部屋の設計が求められますが、そのためには様々な工夫が必要です。

工夫1:平行に向かい合う音響反射面をなくす。

平行ではなく片側の面に角度をつける、角度のついた反射板をつける、音響拡散板をつける等

工夫2:コーナー部の音響処理

コーナーの音の籠りを防ぐために、反射板や曲面形状とする等

工夫3:吸音調整

吸音材の位置を任意に調整できるように、自立型吸音衝立や吸音ユニットの着脱ができるようにする等

ホール等ではステージの後方や客席側の壁、天井に角度のついた反射ユニットや吸音板が施工されていると思います。これは、ホール全体で音がどのように伝わるのか、音響障害を防止、客席の座席の吸音などが考慮して設計されています。防音工事でここまで求めるのは難しいのかもしれませんが、ただ防音をすれば良いというわけではありません、ある程度は目的に合わせた室内の音響設計が必要になります。

CONTACT 電話でのお問い合わせ

0120-639-018

受付時間 / 9時~17時

メールでのお問い合わせ

    SHOW ROOMソノーラ・ショールームのご案内

    無響室・防音室メーカーであるソノーラテクノロジーでは、東京、静岡、愛知、兵庫を拠点に、全国対応が可能です。音響測定・調査・診断~設計製造・施工・保証迄の自社一貫体制です。また御殿場市の「富士山テクニカルセンター」には無響室・防音室のショールームがあります。実際に測定器を使用した状態で、当社製品の高い性能を確認いただきながら、独特の無響空間を体感することができます。またショールームの他に、当社紹介の映像、工場の見学も合わせて実施しております。国内にて無響室を無料開放している機関はほとんどありません。製品の購入を検討されている方、当社へ興味をお持ちの方、 一般の方、メディアの方など業務外での御利用も可能です。是非お越し下さい。
    ※現在、一時的に一般個人の方の見学予約を中止させて頂いております。御了承の程お願い致します。

    〒412-0046 静岡県御殿場市保土沢1157-332  東名高速道路 御殿場ICより約15分
    TEL 03-6805-8988 / eFAX 03-6740-7875(全支店共通)

    ショールームについて詳しく見る

    • After service アフターサービス

      全製品1年間の保障付き。当社設計製造施工上の不備に起因する不具合はすぐに対処します。また、移設や改造、メンテナンス等も御相談下さい。

    • FAQ よくあるご質問

      ソノーラテクノロジーの製品やサービスについて、お客様からよくいただくお問い合わせとそのご回答を掲載しています。分からないことはいつでもお問い合わせください。

    CONTACTお問い合わせ・パンフレット請求

    ソノーラテクノロジーの商品に関するお問い合わせやご相談は お問い合わせボタンよりお気軽にご連絡ください。 資料を郵送でご希望の方はパンフレット請求ボタンよりご連絡ください。

    お問い合わせ