技術情報
無響室における『耳がツーンとしない設計』の最前線
2025/08/06
- 無響室・防音室のソノーラ
- 技術情報
- 無響室における『耳がツーンとしない設計』の最前線

はじめに:無響室の「不快感」とは?
無響室に初めて入った多くの方が「耳が詰まる」「ツーンとする」「長く居られない」と感じます。
これは従来型の吸音楔による極度に残響の少ない環境によるもので、心理的・生理的に違和感を生じやすいのです。
ISO 3745:2012の考え方:性能は“逆二乗則”で決まる
ISO 3745:2003までは、吸音率0.99以上の高性能吸音材(Cut-off周波数に基づく)設計が求められていました。
しかし、ISO 3745:2012では「逆二乗則が成立するか」が唯一の判定基準となり、設計の自由度が飛躍的に広がりました。
逆二乗則を成立させる=無響室の性能
吸音率が多少劣っていても、受音点で理想的な-6dB減衰(逆二乗則)が観測されれば、ISOはそれを無響室と認めます。
つまり、「耳にやさしい設計」でもISO準拠の精密試験が可能なのです。
ソノーラの取り組み:BFWの快適性を活かした設計
当社では、従来型の「グラスウール楔」に代わり、**高耐久でツーンとしない音環境を実現するBFW(Broadband Fractal Wedge)**を用いた無響室設計を推進しています。
特に低~中音域での音響パワー測定(ISO 3744)などでは、十分な吸音性能と快適な聴感空間を両立できる実績があります。
まとめ:無響室=“静かすぎる”の常識を超えて
無響室はもう、「耳がツーンとして不快な空間」ではありません。
新しい設計思想と素材開発により、快適かつ正確な測定環境の両立が進んでいます。
次世代の無響室を、ぜひ体感してみてください。
技術情報 新着記事
-
2025.08.16
VSACにおけるEV試験と超音波対策の必要性 -
2025.08.11
ISO 26101に基づく逆二乗則検収の精密手順とは? -
2025.08.06
無響室における『耳がツーンとしない設計』の最前線 -
2025.08.01
「完全無響」と「半無響」の違いとは? -
2025.07.23
~「海外代理店がやってきた」シリーズ~ を書き終えて -
2025.07.09
無響室の老朽化と性能劣化への対応策 -
2025.06.30
サステナブルな音響空間 〜モジュラー式無響室が未来を変える〜 -
2025.06.25
VSACとEV時代 〜電動化に対応する音響試験環境〜 -
2025.06.12
ソノーラの無響室はどの規格の“どのレベル”に適合しているか? -
2025.06.10
【グローバル顧問:南治子のコラム11】海外代理店がやってきた No.6
SHOW ROOMソノーラ・ショールームのご案内
無響室・防音室メーカーであるソノーラテクノロジーでは、東京、静岡、愛知、兵庫を拠点に、全国対応が可能です。音響測定・調査・診断~設計製造・施工・保証迄の自社一貫体制です。また御殿場市の「富士山テクニカルセンター」には無響室・防音室のショールームがあります。実際に測定器を使用した状態で、当社製品の高い性能を確認いただきながら、独特の無響空間を体感することができます。またショールームの他に、当社紹介の映像、工場の見学も合わせて実施しております。国内にて無響室を無料開放している機関はほとんどありません。製品の購入を検討されている方、当社へ興味をお持ちの方、 一般の方、メディアの方など業務外での御利用も可能です。是非お越し下さい。
※現在、一時的に一般個人の方の見学予約を中止させて頂いております。御了承の程お願い致します。
〒412-0046 静岡県御殿場市保土沢1157-332 東名高速道路 御殿場ICより約15分
TEL 03-6805-8988 / eFAX 03-6740-7875(全支店共通)
CONTACTお問い合わせ・パンフレット請求
ソノーラテクノロジーの商品に関するお問い合わせやご相談は お問い合わせボタンよりお気軽にご連絡ください。 資料を郵送でご希望の方はパンフレット請求ボタンよりご連絡ください。