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産業防音と一般建築防音の違い
2018/06/23
- 無響室・防音室のソノーラ
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産業防音専門メーカーとは何かを、産業防音と一般建築防音の比較を通して感じ取って頂ければと思います。
産業防音とは
工場屋外に設置された送風機の音がうるさいと近隣の居住者から連絡が入り、なんとか静かにしなければならないという話や、騒音規正法に準じた騒音レベルを敷地境界上で確保する為の防音、作業者難聴保護の観点から、使用する機械(プレス機など)の防音等があります。
一般建築防音工事とは
ピアノ等楽器の練習室、動物の泣き声が外部へ漏れない様な部屋、ソノーラ本社のある御殿場では、自衛隊の砲撃等の騒音がうるさい為に防音住宅にするなどもあります。
それぞれの比較
一般建築防音では、対策対象として、楽器や動物の鳴き声といった比較的エネルギーの小さい音が中心になりますが、住宅内での施工が大多数の為、比較的施工スペースが狭い場合が多いです。産業防音では、大型プレス機、ブロワーといったエネルギーの大きい音が対象となる場合もある為、非常に高度な防音工事が必要になる反面、施工スペースが広く使えない場合でも、工場などは敷地自体が広い為、対策をたてるポイントを複数で検討する事ができる場合があります。
また、一般建築防音では、感覚的な静けさや静音化が求められる場合が多いのに比べ、産業防音では、法律や関連団体の推奨する明確な数値が存在する為、感覚的な物は一切排除され、全て数値で判断されます。
一般建築防音は防音専門ではない工務店等でも案外成功する(何を持って成功とするかですが)場合がありますが、これは、エネルギーの小さい音が対象の為にたまたま成功した、建築工事は多くの人が使われる為(人件費はその分かかっています)、「こんなに大掛かりに工事したから静かになった気がする」といったケースもみられます。
産業防音では、音の知識なくしては絶対に上手くいきません。一般建築とは違い、感覚的なものでは無く、全ては絶対的な数値で判断される為、保証値の設定は必須であると思います。
ソノーラでも、専門外の工務店が施工した防音カバーが全く減音効果が見られないと言われ、2次対策の依頼を良く受けますが、構造的に不可解な物が多く、0からやり直しを図らなければならないケースが多発しています。
明確に減音効果の数値を保証出来ないメーカーでは前述のような減音効果の見られないトラブルに発展する恐れがあります。
一般建築の防音工事に使用する主な材料
- 石膏ボード
- 木材
- コンクリート
- グラスウール(ビニールクロス等での仕上げ)
- その他独自材料
産業防音工事に使用する主な材料
- 防音パネル(鋼材仕上げ)
- コンクリート
- グラスウール(生板、ガラスクロス仕上げ)
- その他独自材料
材料での比較
上記材料はソノーラとソノーラ関連会社内の一般建築防音を行っている会社の使用材料の比較です。独自材料が多い為、ソノーラはあまり多くの材料を使っていないように見えますが、ここで注目して頂きたいのは、一般建築工事は現場で切ったり張 ったりする材料が主な材料であるということです。
イコール工期がかかり、人件費がかかるという事につながります。こうした形態がとられる主な原因として防音メーカーではなく工務店等が一般建築防音を行う会社である事だと思われます。
人件費は価格に一番反映されてくる所である為、ソノーラでは施工期間の短縮を図り、工務店ではなく「防音専門メーカー」として確固たる地位を築きあげてきました。
ソノーラテクノロジー設計・製造部では現場施工期間を1分1秒でも短くするパネル・材料を開発する事を念頭に置き日々業務をしています。
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