技術情報
【グローバル顧問:南治子のコラム6】海外代理店がやってきた No.1
2025/04/18
- 無響室・防音室のソノーラ
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以前書いたコラム(【グローバル顧問:南治子のコラム2】ソノーラテクノロジーとの出会い)の中で、
「でも、世界中から問い合わせがあるのに、外国語のできる人材がいないために断らざるを得ない現状、案件を獲得するチャンスを取りこぼしている可能性、それらを打破するきっかけになるんじゃないかと思って。」
というCさんの言葉を引用しました。
実際、私が顧問になってからここ数年、数えきれないほどの問い合わせが世界中から来ています。もちろんすべての引き合いがビジネスにつながるわけではないのですが、特に海外で営業展開をしていないソノーラにたどり着くには、今のところウェブサイト(Soundproof Chamber of Sonora Technology)しか考えられず、ソノーラのブランド力の強さに Made in Japan だけでは語れない底力を実感しています。
そんな中、確か2023年6月頃のことです。カナダに本社のあるDMCという会社から、ウェブサイトのお問い合わせフォーム(製品に関するご相談)に見積依頼が入りました。
既存のクライアントが無響室を探しているとのことでした。
ここで言う「無響室」とは、音響性能を測定する無響室(Acoustic Anechoic Chamber)のことです。ちなみにDMC社はEMC(Electromagnetic Anechoic Chamber)と呼ばれる電波環境を測定するための「電波暗室・電波無響室」を製造するメーカーです。
以前のコラムでお話した通り、英語ではどちらも「Anechoic Chamber」と表記されるため(【グローバル顧問:南治子のコラム2】ソノーラテクノロジーとの出会い)、音響無響室メーカーに電波暗室の注文が来るなど時には混乱を生じることもあります。
DMC社の場合、電波暗室を購入していた既存のクライアントから「音響無響室も注文したい」という依頼を受けていたようで、世界中に限られた数しかない音響無響室メーカーを探してソノーラにたどり着いたというわけです。
クライアントにしてみれば、同じ「Anechoic Chamber/無響室」ということで、電波暗室を作る技術があれば音響無響室も作れるだろう、くらいの感覚だったのかもしれません。
しかし音波と電波は似て非なるものであり、それぞれの無響室が持つ技術には大きな隔たりがあります。
一方でエレクトロニクス製品等を開発する上では両方の測定が必要となるため、比較的大きな工場に行くと、音響無響室の隣に電波暗室が建設されているのをたびたび見かけます。それを見て「両方とも同様の技術を使って作れるのだろう」と考えるクライアントも出てくるのでしょう。
音響無響室の製造技術を持たないDMC社から見たソノーラの魅力的な技術力、また北米含めまさに世界に打って出ようとしているソノーラの審美眼、それらが合わさって、私たちは2023年10月、MOU(基本合意書)を締結するに至ったのです。
(続く)
ソノーラテクノロジー株式会社 顧問 南 治子
<略歴> 関西学院大学文学部フランス文学科卒業後、ベルギー王国総領事館商務部勤務を経て、企業顧問・コンサルとして独立。主に欧州企業の日本市場進出支援を行う中で、日本のすばらしい数多くの中小零細ものづくり企業と出会い、日本から世界へフィールドを広げる企業支援も手掛けるようになる。ソノーラでは主に欧州市場新規開拓を支援。
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