技術情報

DIY防音の注意点

2022/09/22

DIY防音、個人の方がネット通販で防音材を購入し、部屋の壁を補強したり、防音室を作ったり・・
プロに依頼するよりもお手軽に出来るイメージがあります。作業は御自身で行いますので、出費も抑えられます。

ただ、DIYで失敗したという例は多数あります。コストを抑えようとしても失敗してしまってはお金と時間の無駄になってしまいます。本記事では、例をもとに失敗の理由、注意点などを記載します。

1. 壁一面だけの防音

マンションやアパートで、隣の部屋の騒音がうるさいので、壁一面に防音材を取り付けよう!
最近ですと、壁を傷つけないように突っ張り棒を利用した便利な商品なども売られています。ただ、この場合でも失敗することは多いです。

騒音対策は三次元的に考えなくてはなりません。

2. グラスウール、ロックウール吸音板

① 痒い

グラスウールやロックウールは優れた吸音材ですが、非常に扱い難い材料です。微細な繊維をウール状にしたものですのでその繊維が飛散します。皮膚に刺さりますので痒いです。グラスウールならガラス繊維ですから、ガラスの針のような物です。人によっては、ウールを少し指でなぞっただけで痒みを感じる場合があります。表面にガラスクロスを貼って保護したボードもありますが、ガラスクロス自体もガラス繊維で作られており、このようなものを住宅の壁などに貼るのはおすすめしません。ガラスクロス自体も痒いですが、ガラスクロスが破れてグラスウールが剥き出しになってしまったりするともっと悲惨です。

② 捨て難い

グラスウール板、ロックウール板は燃え難い不燃材料です。1ケースに10枚入っていた板のうち、8枚を使って2枚が余ってしまった。捨てなくてはなりませんが、グラスウールなどは自治体のゴミ回収ではなかなか扱えないので、産業廃棄物として処理しなくてはならない場合があります。

住宅などではグラスウール、ロックウールはおすすめしません。

3. 吸音=遮音ではない

吸音材は反響音を防止するものです。反響音を抑えることで防音効果を得られる場合はありますが、遮音材ではありません。施工方法によっては遮音補強材とはなりますが、吸音材単体では遮音材ほどの遮音量は望めません。

防音をするためには、遮音材と吸音材を組み合わせて施工しましょう。

4. 床に防音カーペット

床の防音は、プロでもとても難しいです。防音カーペットを貼ったり、ボードを複層貼ったりしても全く効果がないか、逆に悪化してしまうこともあります。

床の対策は難しいです・・

5. 小さな防音室の製作

部屋の一角に楽器演奏のため、またDTMや配信をするための防音室を作りたいという目的で、ホームセンターでボードを買ってきてDIY工事を行なったり、市販の防音室(段ボール製など)を購入して遮音シートなどを貼って防音効果を補強したり・・この場合も注意点があります。

① 換気が必要

防音室は密閉された空間ですから換気をしないと窒息してしまうので、防音室に穴を開ける必要があります。ただ、穴があると音が漏れてしまいます。必要遮音量に合わせたサイレンサーダクト(換気扇付き)を設計し取り付けることで解消出来ます。ロスナイをつける方法もありますが、ロスナイの防音効果は大きくありません。

② 熱がこもる

防音室内は熱が篭ります。換気をしても夏場は厳しいです。防音室外をエアコンで冷やし風量のある換気扇をつけて防音室内に入れることはできますが、大型のサイレンサーダクトが必要になります。防音室内にエアコンをつけるのが最良です。

③ 耐久性

段ボール製の防音室などは耐久性が低く、床パネルが凹んだりドアの先端が経年により垂れ下がりドア枠に擦ってしまうなどの問題が出る可能性が高いです。遮音シートを貼り付けるなどの改造工事を行うと重さが増した分より変形しやすくなりますので、防音室はしっかりした構造体で作る必要があります。

小さな防音室といえどきっちりとした設計は必要です。

6. 防音カーテン

防音カーテンでは密閉が出来ませんので効果は限定的です。防音というよりは吸音です。窓面が音波の反射面となっておりその反響を防止したいという場合は有効です。

防音材は目的に合わせて選定しましょう。

7. 低周波音の防音

バスドラムやベース音のような低周波音は遮断し難いです。

お金をかけずに低周波音を遮断することは不可能に近いです。

8. 防音商品の過大広告やレビューに注意

  • 世界最高レベルの防音性を持つカーペット→?
  • 重低音の対策に効果的→どれくらい?

などです。

防音材を販売している会社が防音のプロであるとは限りませんので、あまり信用しない方が良いです。特に防音工事を業務として行わずに防音材を販売しているだけの会社は防音工事の経験が少ないといえます。販売している防音材を施工した経験すらないかもしれません。また、性能保証がされていない商品を買った後に効果がなく後悔しても販売会社には責任を問うことは難しいです。

通販サイトのレビューも注意が必要です。レビューは購入者の主観です。「この商品を買ってよかった、効果があった!」といっても感覚ですし、逆に、購入者が本来の使用方法から逸脱した施工方法を取り「全く効果がなかった」というレビューもあります。

防音室であればショールームなどで確認する、防音材であれば実例や施工されたショールームを確認した方が良いかと思います。

9. 防音をした気になっていませんか

防音の専門会社は防音工事による効果を保証、騒音計などで測定することで実証します。それを行わないと、本当に効果があったかどうかは感覚的判断になってしまいます。DIYで防音工事を行った後、その対象がご自身であれば、感覚的判断をすることは間違いではありませんが、ご自身が騒音を発生する側であれば対象者は別の方ですので注意が必要です。

防音工事を行ったら、効果がなくても防音をした気になってしまうこともあります。正しい数値ではありませんがスマホの騒音計アプリで測定することも一つの方法です。

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