技術情報
ポリエステル吸音板のメリット、デメリット
2022/12/15
- 無響室・防音室のソノーラ
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- ポリエステル吸音板のメリット、デメリット
ポリエステル吸音板は、ポリエステル繊維により作られた吸音板です。回収ペットボトルなどを利用した再生ポリエステル繊維を使用した製品もあります。近年では一般的な吸音材として様々なシーンに使用されています。
メリット
ガラス繊維などと比較し、繊維飛散が軽減されておりチクチク感が小さいです。また、対候性や透水性に優れていますので、屋外で使用する際に雨が繊維内に混入しても抜けていく構造にも対応します。
デメリット
燃えますので、内装建材としての使用上制限されます。また、あまり知られていないことですが、ポリエステル吸音板は一定温度を超えると膨張してしまうことがあります。以前、恒温試験室内で高温時に、吸音板が厚さ方向に倍以上膨らんでしまい、元に戻らなかったことがあります。ポリエステルの溶融点は255〜260℃と言われていますが、その温度以下であっても軟化点に達すると変形してしまいます。多くのポリエステル吸音材は繊維を圧縮して作られていますので、熱が加わることで解けてしまい圧縮された状態を保持できなくなったことから膨張してしまったということです。このことから、例えば、鉄パネルに貼り付けたポリエステル繊維が、太陽光によって鉄の温度が上がり変形してしまったりすることも考えられますので、温度には注意が必要です。
どのような吸音材にも、メリットとデメリットがあります。材料の特性を理解した上で、目的に合わせて使用しなくてはなりません。
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