技術情報
クリーンルーム内での吸音材の使用について
2024/11/05
- 無響室・防音室のソノーラ
- 技術情報
- クリーンルーム内での吸音材の使用について
弊社のBFB吸音材について
BFBは、クリーンルーム内での使用に適した、発塵性が非常に低い吸音材料です。
従来の吸音材がクリーンルームで使用できなかった理由
粒子発生のリスク
従来の吸音材には、フォームや繊維素材が多く、微小な繊維や粉塵が発生しやすいため、クリーンルーム内の清浄度基準を満たすことが難しいとされていました。
表面の清掃性が低い
吸音材は多孔質素材が多く、清掃が難しいため、定期的な清掃や消毒が必要なクリーンルーム環境には適しません。
耐薬品性の不足
クリーンルームではアルコールや薬品が頻繁に使用されますが、従来の吸音材はこれらに対して耐性が低く、劣化しやすいため、適していません。
抗菌・防カビ性能の欠如
クリーンルームでは抗菌・防カビ加工が必要です。しかし、従来の吸音材にはこれが備わっていないため、微生物の繁殖リスクがあります。
無塵性の仕上げが不十分
ホコリや微粒子が吸着しやすく、無塵環境には不向きです。
なぜクリーンルーム内で吸音材が必要なのか
半導体工場 | 粒子が製造ラインに影響を与えない清浄度が必要で、機械音を軽減し快適な作業環境を保つため。 |
---|---|
医療機器製造施設 | 動作音の軽減と低粒子放出が求められ、特に手術器具や精密機器製造エリアで求められる。 |
バイオテクノロジー研究施設 | 粒子汚染を防ぐため、ISOクラス5(ISO 14644-1)及びクラス100(Fed-Std-209E)の清浄度基準に適合した吸音材が必要。 |
製薬業界の研究・製造施設 | 無菌環境を保ちつつ、作業空間の音響特性を改善するため。 |
クリーンルームで吸音材が必要な場合は、建物自体の反響防止、顕微鏡用防音室の内装、防音検査室など音響制御が必要な場合です。
BFBがクリーンルームで使用できる理由
BFB吸音材の表面には、デュポン社製の高密度ポリエチレン(HDPE)製不織布「タイベック(Tyvek)」を採用しています。
タイベックの特徴
- 化学防護服や医療用防護服としても使用され、化学物質や微生物からの保護が可能
- 軽量で高い強度、耐薬品性、湿気を通しつつ水を防ぐ
- ISOクラス5(ISO 14644-1)およびクラス100(Fed-Std-209E)の基準に適合
ISO14644-1の基準と粒子数の対応表
ISO14644-1 | 0.5μm以上の粒子数/m^3 |
---|---|
クラス1 | 0 |
クラス2 | 4 |
クラス3 | 35 |
クラス4 | 352 |
クラス5 | 3520 |
クラス6 | 35200 |
-> BFBの0.5μm以上の粒子数:740個/m^3 < 3520個 ∴クラス5
Fed-Std-209E基準と粒子数の対応表
Fed-Std-209E | 0.5μm以上の粒子数/ft^3 |
---|---|
クラス1 | 1 |
クラス10 | 10 |
クラス100 | 100 |
クラス1000 | 1000 |
クラス10000 | 10000 |
クラス100000 | 100000 |
-> BFBの0.5μm以上の粒子数:21個/ft^3 < 100個 ∴クラス100
BFB吸音材の特長まとめ
低粒子発生 | 微粒子を放出しない設計 |
---|---|
抗菌加工 | 微生物の繁殖を防ぐ加工 |
耐薬品性 | 清掃や消毒に強い |
無塵性の仕上げ | 滑らかな表面で清掃が容易 |
BFBは、クリーンルーム環境での精密な作業や研究に不可欠な清浄度と音響環境を実現します。
従来の吸音材では成し得なかった安全性と使いやすさを備えたBFBで、より快適で信頼できる環境づくりをサポートいたします。
ぜひこの機会に、クリーンルーム専用の吸音材としてご活用ください。
技術情報 新着記事
-
2024.12.03
柱や梁のない無響室(組立式無響室) -
2024.11.30
無響室の形状:正方形ではなく長方形である理由 -
2024.11.26
吸音クサビの先端はなぜカットされているのか? -
2024.11.20
無響室における吸音クサビ単体の吸音率について -
2024.11.09
【HBK×Sonora】VSAC+音響計測関連商品の御紹介 -
2024.11.05
吸音板「BFB」の施工方法御紹介 -
2024.11.05
クリーンルーム内での吸音材の使用について -
2024.11.05
逆二乗測定装置の開発その1 -
2024.11.04
音響性能保証の重要性について -
2024.10.30
無響室は危険な部屋?無響室に入った際の違和感、その原因は?
SHOW ROOMソノーラ・ショールームのご案内
無響室・防音室メーカーであるソノーラテクノロジーでは、東京、静岡、愛知、兵庫を拠点に、全国対応が可能です。音響測定・調査・診断~設計製造・施工・保証迄の自社一貫体制です。また御殿場市の「富士山テクニカルセンター」には無響室・防音室のショールームがあります。実際に測定器を使用した状態で、当社製品の高い性能を確認いただきながら、独特の無響空間を体感することができます。またショールームの他に、当社紹介の映像、工場の見学も合わせて実施しております。国内にて無響室を無料開放している機関はほとんどありません。製品の購入を検討されている方、当社へ興味をお持ちの方、 一般の方、メディアの方など業務外での御利用も可能です。是非お越し下さい。
※現在、一時的に一般個人の方の見学予約を中止させて頂いております。御了承の程お願い致します。
〒412-0046 静岡県御殿場市保土沢1157-332 東名高速道路 御殿場ICより約15分
TEL 03-6805-8988 / eFAX 03-6740-7875(全支店共通)
CONTACTお問い合わせ・パンフレット請求
ソノーラテクノロジーの商品に関するお問い合わせやご相談は お問い合わせボタンよりお気軽にご連絡ください。 資料を郵送でご希望の方はパンフレット請求ボタンよりご連絡ください。