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吸音クサビの先端はなぜカットされているのか?
2024/11/26
- 無響室・防音室のソノーラ
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- 吸音クサビの先端はなぜカットされているのか?
吸音クサビは、先端が尖っておらず、写真のようにカットされているのが一般的です。
この理由について記載したいと思います。
本来、吸音クサビは、上図のようにAの寸法であるべきといわれていました。ですが、どの無響室メーカーのクサビを確認しても先端Cがカットされた、Bまでの寸法であることが多いです。
従来の吸音クサビ設計法では厚さはλ/4(対象周波数の1/4)が必要でした。その理屈からはAとBを比較するとAの方が吸音性は高いといえます。
しかし、過去、K研究所により先端がなくても吸音性はほぼ変化しないということが発表されたことにより、先端カットのクサビが一般的となりました。
つまりクサビの厚さはBだが、Aの厚さと同等の吸音性を有するといえます。
Cの部分が存在すると無響室の有効スペースが狭くなりますし、強度が弱く脆い、接触などにより変形、破損がしやすいという問題がありますので、Cをなくせないかという議論があり、その上でのK研究所の実験が行われたと思われます。
また、従来の吸音クサビは針金フレームで作られていましたので、先端部分があると硬く鋭利な状態であり危険です。
また、Cがあると、周波数帯によっては共振なども起こり得ますし、実際には体積も小さいために見かけ上の効果はなかったということでしょう。
以上のことから、吸音クサビの先端がない方が実用的と判断され、現在の台形クサビが一般的となりましたが、今後も各メーカー、研究者によってクサビの形状はより最適化されていくと思われます。
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