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デシベルの足し算|50dB+50dBが53dBになる理由と計算方法
2026/07/28


- 無響室・防音室のソノーラ
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デシベルの足し算とは?50dB+50dBが約53dBになる理由
「50 dBの機械を2台動かしたら、騒音は100 dBになりますか?」
営業や騒音測定の現場で、実際によくいただく質問です。
答えは100 dBではなく、約53 dBです。
普通の足し算なら50+50=100ですが、デシベル(dB)は対数で表されているため、そのまま足すことができません。
この記事では、デシベルの足し算と騒音レベルの合成方法について、計算式や早見表を使いながら解説します。
この記事のポイント
- 50 dB+50 dBの合成値は約53 dB
- 同じ騒音レベルの音源が2倍になると+約3 dB
- 同じ音源が10倍になると+10 dB
- 60 dBと70 dBを合成すると約70.4 dB
- 小さい音源でも、台数が多ければ無視できない
- 騒音対策では、全体を支配している音源の特定が重要
なお、ここでは同じ測定点において、2台の機械がそれぞれ同じ50 dBで寄与し、互いの音が特別に同期していない一般的な機械騒音を想定しています。
実際の現場では、機械との距離、向き、運転状態、壁や床からの反射などによって、同じ機械でも測定点への影響は変わります。
なぜデシベルは普通に足し算できないのか
デシベルは、音の大きさを対数で表したものです。
人間が扱う音の範囲は非常に広く、聴こえるか聴こえないかという小さな音から、身体に影響を与えるほど大きな音まで、音の強さの比にすると最大で約1兆倍にもなります。
これほど大きな範囲を、そのままの数字で扱うのは現実的ではありません。そこで、対数を使って扱いやすい数字に圧縮したものがデシベルです。
騒音測定で扱う音圧レベルは、基準となる音圧に対して、測定した音圧の二乗がどれほど大きいかを常用対数で表します。
そのため、音のエネルギーに相当する量とデシベルには、次の関係があります。
| 音のエネルギーに相当する量 | 騒音レベルの変化 |
|---|---|
| 2倍 | +約3 dB |
| 10倍 | +10 dB |
| 100倍 | +20 dB |
| 2分の1 | -約3 dB |
| 10分の1 | -10 dB |
50dB+50dBが約53dBになる計算
測定点における騒音レベルが50 dBの機械を2台、同時に稼働させたとします。
2台の寄与が等しければ、音のエネルギーに相当する量は2倍になります。
計算は次のとおりです。
50+10log₁₀2≒53.0 dB
したがって、
50 dB+50 dB≒53 dB
となります。
同じ騒音レベルの音源を合成した場合、台数と増加量には次の関係があります。
| 同じ騒音レベルの音源数 | 1台の場合からの増加量 |
|---|---|
| 1台 | 0 dB |
| 2台 | +3.0 dB |
| 3台 | +4.8 dB |
| 4台 | +6.0 dB |
| 5台 | +7.0 dB |
| 10台 | +10.0 dB |
例えば、1台あたり50 dBの機械が10台あり、それぞれが測定点に同じレベルで寄与する場合、合成した騒音レベルは60 dBです。
異なる騒音レベルを合成する計算式
異なる騒音レベルを合成する場合は、次の式を使います。
L=10log₁₀(10ᴸ¹⁄¹⁰+10ᴸ²⁄¹⁰)
複数の音源を合成する場合は、それぞれの騒音レベルを同じように加えて計算します。
ただし、現場で毎回この式を使うのは少し面倒です。そのため、実務では2つの騒音レベルの差から加算値を確認する早見表がよく使われます。
デシベルの足し算早見表
| 2音のレベル差 | 大きい方に加える値 |
|---|---|
| 0 dB | +3.0 dB |
| 1 dB | +2.5 dB |
| 2 dB | +2.1 dB |
| 3 dB | +1.8 dB |
| 4 dB | +1.5 dB |
| 5 dB | +1.2 dB |
| 6 dB | +1.0 dB |
| 7 dB | +0.8 dB |
| 8 dB | +0.6 dB |
| 9 dB | +0.5 dB |
| 10 dB | +0.4 dB |
60dBと70dBを合成した場合
60 dBと70 dBのレベル差は10 dBです。
早見表では、大きい方に加える値は0.4 dBなので、
60 dB+70 dB≒70.4 dB
となります。
2つの音だけを比較した場合、レベル差が10 dBあると、小さい方の音による上乗せは約0.4 dBにとどまります。
小さい音源でも、台数が多ければ無視できない
「大きい音より10 dB以上小さければ、対策しなくてもよい」とは限りません。
小さい音源が1台だけなら全体への影響はわずかですが、同じような音源が複数あれば、それらの合成値は大きくなります。
例えば、測定点において65 dBで寄与する機械が10台ある場合、10台を合成した騒音レベルは75 dBです。
そこに80 dBの機械が加わると、全体の騒音レベルは約81.2 dBになります。
1台ずつでは小さく見える音源でも、台数が多い場合は、すべての音源を合成して評価しなければなりません。
機械を半分止めても騒音は半分にならない
同じ騒音レベルの機械が2台稼働している工場で、1台を停止すると、騒音レベルは約3 dB下がります。
10台のうち5台を停止した場合も、各機械の寄与が等しければ、低下するのは約3 dBです。
台数を半分にしたからといって、騒音レベルや人が感じる音の大きさまで半分になるわけではありません。
「機械を半分止めたのに、思ったほど静かにならない」ということが起きるのは、デシベルが対数で表されているためです。
騒音対策では支配的な音源を見つける
工場の騒音対策では、全体の騒音レベルを支配している音源を見つけることが重要です。
例えば、ある機械が80 dB、それ以外の音源をすべて合成しても65 dBだったとします。
80 dBと65 dBを合成した結果は約80.1 dBです。
この状態で65 dB側の音源だけに対策しても、全体の騒音レベルはほとんど下がりません。全体値を下げるためには、まず80 dBの機械を優先して対策する必要があります。
騒音源を囲い込む対策については、当社の防音カバーもご覧ください。
ただし、総合的な騒音レベルが低くても、特定の周波数が目立つ純音、低周波音、衝撃音などが問題になる場合があります。
騒音計に表示された数字だけで判断せず、音源の位置、運転状況、周波数特性まで確認することが大切です。
デシベルを合成するときの注意点
実際の騒音測定では、数字だけを見て足し算することはできません。
少なくとも、次の条件を確認する必要があります。
- 同じ測定点で比較しているか
- dB、dB(A)などの周波数重み付けが同じか
- LAeq、LAFmaxなど同じ評価量か
- 測定時間や機械の運転条件が同じか
- 暗騒音の影響が含まれていないか
- 音圧レベルと音響パワーレベルを混同していないか
カタログに記載された50 dBと、工場内で測定した50 dBが、必ずしも同じ意味とは限りません。
音圧レベルは、音源からの距離や設置環境、反射の影響を受けます。一方、音響パワーレベルは、音源そのものが放射する音響エネルギーを表す量です。
また、実測値に暗騒音が含まれている場合は、対象機械の騒音を分離してから合成する必要があります。詳しくは「暗騒音とは?」をご覧ください。
3dB下がると、どのくらい静かになるのか
同じ種類の音を同じ条件で比較した場合、3 dBの変化は、一般的に「変化が分かり始める程度」とされています。
5 dBほど変わると、多くの人が音の変化をはっきり感じられるようになります。
一方、人が感覚的に「音が2倍になった」「半分になった」と感じる目安は約10 dBです。
| 騒音レベルの変化 | 一般的な感じ方の目安 |
|---|---|
| 約1 dB | 注意深く比較して分かる程度 |
| 約3 dB | 変化が分かり始める程度 |
| 約5 dB | はっきり変化を感じる程度 |
| 約10 dB | 約2倍または半分に感じる目安 |
つまり、騒音を半分程度に感じさせるためには、音のエネルギーに相当する量を2分の1にするのではなく、10分の1にする必要があります。
ただし、実際の感じ方は、周波数、時間変動、暗騒音、聞く人によって異なります。3 dBや10 dBという数字は、あくまで一般的な目安です。
騒音対策の前に測定が必要な理由
騒音対策で重要なのは、いきなり吸音材や防音カバーを設置することではありません。
まず現状を測定し、次の内容を確認します。
- どの機械が支配的な音源なのか
- どの周波数帯域が問題なのか
- 空気伝搬音と固体伝搬音のどちらが影響しているか
- 騒音がどの経路から外部へ伝わっているか
- 対策後にどの程度の低減量が必要なのか
原因を特定しないまま対策すると、費用を掛けても全体の騒音レベルがほとんど下がらないことがあります。
測定機器と測定環境の考え方については、「音響測定を正しく行うために」でも詳しく解説しています。
工場における対策方法や対応製品については、工場の騒音対策をご確認ください。
デシベルの足し算に関するよくある質問
50dBの機械を2台動かすと何dBになりますか?
2台が測定点にそれぞれ同じ50 dBで寄与する場合、合成した騒音レベルは約53 dBです。100 dBにはなりません。
50dBの機械を10台動かすと何dBになりますか?
各機械の寄与が同じ50 dBであれば、10台の合成値は60 dBです。同じ音源が10倍になると、騒音レベルは10 dB増加します。
60dBと70dBを足すと何dBになりますか?
合成値は約70.4 dBです。通常の足し算のように130 dBにはなりません。
騒音が3dB下がれば、音は半分になりますか?
音のエネルギーに相当する量は半分になりますが、人間の耳には半分の大きさには感じられません。感覚的に半分と感じる目安は約10 dBの低下です。
一番大きい音源だけ対策すればよいですか?
全体の騒音レベルを下げる場合は、支配的な音源から対策するのが基本です。ただし、小さい音源が複数ある場合や、純音・低周波音・衝撃音が問題となっている場合は、それらも含めた調査が必要です。
まとめ
デシベルの足し算では、普通の算術計算は使えません。
50 dBの機械が2台あっても100 dBにはならず、合成値は約53 dBです。
同じ騒音レベルの音源を増減させた場合、台数が2倍または半分になると、騒音レベルは約3 dB変化します。
騒音対策で大切なのは、単純に一番近い機械や対策しやすい機械を囲うことではありません。複数音源の合成、暗騒音、周波数特性、音の伝搬経路を確認し、全体を支配している原因から順番に対策する必要があります。
ソノーラテクノロジーでは、工場・プラント・研究施設などを対象に、騒音測定・現地調査から、防音カバー、防音壁、サイレンサーなどの設計・製造・施工まで対応しています。
騒音の原因が分からない場合や、対策しても十分な効果が得られない場合は、騒音問題に関するご相談からお問い合わせください。
参考規格・資料
- JIS Z 8731:2019「環境騒音の表示・測定方法」
- ISO 1996-1:2016「Acoustics — Description, measurement and assessment of environmental noise」
- 環境省「風力発電施設から発生する騒音について」
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