技術情報
防音のレシピは企業秘密
2020/11/11
- 無響室・防音室のソノーラ
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- 防音のレシピは企業秘密
ある日、新規の御客様(商社)から「この図面の内容で見積が欲しい」と連絡が来ました。その図面は、当社が作製したもので、メーカー名が黒塗りにされていました。
どうやら、当社がエンドユーザーに提出した見積構想図を、購買担当者が複数の商社や防音会社に送付して、相見積をしているという話でした。
これは、当社が設立間もない頃の話ですが、当時、図面や仕様書に遮音パネルの構造等を記載していました。いわゆる防音のレシピです。使用する材料や組み合わせ、パネル内部の構造についてです。
本来、企業間ではNDA(秘密保持契約)を結ばない限り、秘密保持の義務はありませんが、防音のレシピは、事業上のアイデア、技術情報に当たるもので、第三者への流出は、場合によっては不正使用に問われる可能性があります。
そのようなことがあり、当社は、技術の根幹に関わる情報については、一切開示をしないことにしました。遮音パネルの構造や材料の組み合わせなどは企業秘密としています。
また、特許や実用新案なども「少し変えれば使える」という可能性もあり情報流出のリスクと考え取得しない方針としました。
レシピがあれば、その通りに作ることが出来る企業はあります。
先日、某防音会社と取引をする可能性があり、その会社の工場を見学する機会がありました。工場内には製作中の防音カバーなどがありましたが、「見てもらっても問題ない」ということでしたので見ることが出来ました。
その防音カバーは、使用材料、構造、防音に対する考え方、設計方法…15年前に当社が手掛けていたものでした。(どれを見ても懐かしく思えました。)以前、防音のレシピを公表していたことにより、業界内で情報は回ってしまいました。これは情報公開をした当社の問題ですが、そのことで競合先を量産してしまっていたのです。
ですが、某防音会社は、当時のレシピ通りに作るだけで、その後15年間も進化がなかったのです。(仮に、当社のレシピでないとしても陳腐化した技術であることは間違いありません。)
別記事:防音屋って儲かるの?いいえ儲かりませんにも記載していますが、ユーザーの進化に合わせた技術のアップグレードは必要です。
その流れについていけない防音会社には未来がありません。結局、某防音会社との取引とはなりませんでした。
防音のレシピは非公開ですが、当社は、全ての御取引先とはNDAを結びます。NDAを結ばない状態であっても、御客様の秘密情報も守ります。
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